ThinkPad235のゼロスピンドル化+マルチブート環境構築 ThinkPad235のゼロスピンドル化+マルチブート環境構築


はっきり言って難易度高いです。ハードウェア側の制限、或ひはOS側の制限、それらが重なり合ったりして一筋繩では行きませんでした。インストールするOSが一つだけならそこまで難しくないと思ひますが(笑)。

人によっては分解する時點でハードルになってるかも(^^;


ノートPCのゼロスピンドル化に當たり選擇肢となるのは

1. mSATA-IDE變換アダプタ
2. IDE-SSD
3. CF-IDE變換

ですがThinkPad235では結構問題があります。

1. mSATA-IDE變換アダプタ
mSATA-SSD變換は價格が手頃ですが235ではBIOSレベルで認識しませんでした。CF-M34と同じく玄人志向の變換アダプタを使ったのですがBIOSで認識しない以上インストール不可能です。同じ物をLIFEBOOK 645NUに裝着するときちんと認識するので235のハードウェア側の問題の樣です。

2. IDE-SSD
mSATA-IDE變換では認識すらされないので通常のIDE-SSDを試してみました。こちらはTranscend製のTS32GSSD25-Mを使用しました。さすがにIDE-HDD互換だけあってBIOS上できちんと認識されます。



ところがいざOSのインストールになると問題が發生しました。マルチブート環境の爲に先にMS-DOS 6.2/Vをインストール。この時點では問題ありません。500MBの區劃を作りインストール後には普通に起動しました。

次にWindows2000用に20GBの區劃を作りインストールを試みた所、PCMCIA接續のCDDからwinnt.exeを實行してファイルコピーが始まると必ず止まる現象が發生します。詳細はインストールの手順に書きますがCDDから直接winnt.exeを實行したのではインストール不可能でした。そこでDOSがインストールされた區劃にi386以下をコピーしWindows用に割り當てた區劃へのインストールを試みたのですがxcopyを實行しても'serious disk error'が100%の確率で發生してインストールに必要なファイル群を區劃に置けません。DOS區劃が問題なのかと最初からWindows區劃のみにしてみてもファイルコピーで必ず失敗します。Windowsだとデータ量が大きいからかとB-right/Vのみでインストールしてみてもインストール終了まで行きません。最小構成(200MBも無い筈)ですら最後の所で失敗してエラーが出ます。

これが有名なSSDのプチフリーズなのかは何とも言へませんが、とにかくインストール用ファイルを區劃にコピーできないので話になりません。そこでSSDを取り出しUSB外付けドライブとして別の母艦(2000/XP)からファイルコピーを試みたのですが、母艦のOSからはドライブが認識されませんでした。USB接續のデバイスとしては認識されるのですが(取り外しメニューも出る)コントロールパネルのディスクの管理からはドライブが全く見えてません。

IDE-HDDではこんな現象が發生した事はありません。DOS、Windows2000、B-right/Vと3つのOSがインストールされててもきちんと認識されます(元々235はHDDをこの構成にしてました)。BTRON區劃だけは不明な區劃となりますがドライブとしても區劃としても認識されないなんて事はありません。それが既にMS-DOSをインストールしてあり235のBIOSではきちんと認識されてるSSDが外付けドライブとして接續すると全く認識されないわけです。

試しにLinuxに接續してみた所2TBのHDDとして認識されました。區劃は全く見えてません。235のBIOSでは容量通りの32GBとして認識されるのにLinuxでは2TB、Windows2000/XPでは認識不可。これではファイルのコピーどころではありません。

では、デスクトップ機にスレーブとして接續した場合は?IDE-HDD互換であればそのままスレーブ側HDDとして認識される筈です。そこでIDEの2.5-3.5インチ變換アダプタを介してデスクトップ機のスレーブとして接續してみました。結果は……ハードウェアの異常と検知された樣でOSが起動する前の段階で頓挫しました。デスクトップ機はIntel 440BXのマザーボード+SLOT1 1GHzです。HDDは120GBまでしか認識しませんがこのSSDは32GBなので容量は問題にならない筈。

235に裝着した状態ではファイルコピー不可、母艦に接續するとドライブとして認識されない。これではお手上げです。何せ手動で一つづつファイルをコピーするにもWindows2000のファイル數は4,800以上ありますから。nLiteで減量した上で、です。これがこの製品固有の問題なのかSSD全般に起こる事なのかは判りません。さすがにIDE-SSDを各メーカー毎に揃へて檢證するのは現實的ではないのでIDE-SSDによる方式は却下せざるを得ませんでした。

3. CF-IDE變換

これはCFとの相性が嚴しいです。モノによってはインストールできません。加へてCFのモードによる問題もあります。

Transcend 32GB(400x)

このCFは區劃を切ってWindows2000をインストールすると區劃を切ったリムーバブルメディアには對應してないとのエラーメッセージが出ます。區劃を切ってなくてもWindows2000のインストール自體が不可能でした。235固有の現象ではなくLIFEBOOK 716NUで檢證してもインストールに失敗しました。

SanDisk 8GB(200x)

インストール可能です。但しSanDisk製はリムーバブルモードに設定されてゐるのでWindows2000のインストール後はシステムドライブがローカルディスクではなくリムーバブルとして認識されます。システムドライブが切り離し可能(少なくとも理論上は)なんて恐ろしいのでさすがに使へません。OSの設定を弄って固定ディスクとして認識させる方法もある樣ですがそれ以前の問題として二つのOSを入れるには8GBでは小さ過ぎます。

※B-right/Vの統合辭書で大量のEPWING辭書を入れるのでBTRON區劃だけで8GBくらい欲しいからです。

Transcend 8GB(133x)

このCFは固定ディスクモードに設定されてます。なのでインストール後はローカルディスクとして認識されます。

そこでTranscend製の8GBをWindows2000用に使用し別の一枚のCFをスレーブ側に設定してB-right/Vをインストールする事を考へたのですが、ここでも問題が發生しました。このCFをマスターとしてWindows2000をインストールするとスレーブ側にCFを插した状態では235のBIOSでHDDエラーが出てシステムが起動しません。BIOS上ではディクス0、ディスク1共に認識され容量も正しく表示されるのですが再起動しても必ずエラーが出るのでOSの起動へ進みません。リムーバブルとして認識されるSanDisk製ではスレーブがあってもOSの起動に問題は無く起動後もスレーブ側を認識してたのに…

二枚插しタイプのCF-IDEアダプタ


今回は使用しませんでしたがpqiの8GBはリムーバブルとして認識されました。

SanDiskをマスターとしてWindows2000をインストールしpqiをスレーブに插して起動すると共にリムーバブルとして認識されました。

そんなわけで二枚插しのアダプタでマスター・スレーブと分ける方式は不可でした。次に考へられるのは235が持つATAカードからの起動。ThinkPad535邊りでも採用されてましたがIBMのノートPCにはこんな便利な機能があります。

そこでWindows2000がインストールされたCFをPCカードスロットから起動できるか試したのですがntldrが見つからないとして起動しませんでした。235のハードウェアの機能としてカードからの起動がサボートされててもOS側の相性がある樣です。試しに1B/V3を起動させてみましたが「1Bにようこそ…」の畫面は出るもののそこから先へは進まず止まったままでした。ならばB-right/Vは?と試した所、こちらはPCカードからでも全く問題無く起動しました。

※因みに區劃を切って複數のOSをインストールしたCFではスロットからの起動は無理でした。B-right/Vのブートセレクタまでは表示されますが起動するOSを選擇してもそこから先へは進みませんでした。

と言ふ事で235でゼロスピンドル化+マルチブート環境は内蔵HDDをCF-IDE變換にしてWindows2000をインストール。B-right/VをPCカードスロット3からの起動とする事で何とか形にできました。235にB-right/Vをインストールした場合、元々スロット3は認識されません。なのでスロット3を起動用にする事で内蔵HDDからの起動と同じ樣にスロット1&2が使へる樣になります。因みにスロット1からカードブートさせるとスロット2&3が共に使用不可になります。

缺點として起動OSをブートメニューで切り換へられない事。235のBIOSで設定した起動順序で内蔵HDDを第一にするとB-right/VがインストールされたPCカードを插したままでもWindows2000が起動しますがPCカード側からの起動には都度BIOSの設定を切り換へなければなりません。又、WindowsはDOS/Windows以外のファイルシステムでフォーマットされたディスクを勝手に自身のファイルシステムにフーマットしやうとするお節介な機能があるのでB-righ/Vをインストールしたカードをスロットに插しっ放しにするのは恐ろしくてできません。餘計な事しやがって……

なので面倒ですが始動オプションの第一デバイスをATAカードに、第二デバイスを内蔵HDDにしてスロット3にカードを插したか否かで起動するOSを選擇する事になります。

この場合、スロット1か2にデータ用PCカードを插したままだとスロット3のシステム入りカードから起動しなくなります。起動の順序が1→2→3なので。と言ふ事はB-right/Vをメインで使ってる時は起動時にデータ用のPCカードを都度抜かないといけない事になります。面倒だなぁ…

實際にCFにインストールされたWindows2000を動かしてみると235のスペック(20JでMMX 266MHz)とCFのデータ轉送速度(133x)が相俟ってお世辭にも速いとは言へません。まぁ遲いのはディスクの讀み書き時ですし私がWindows2000を入れたい理由は幾つかのエディタ(サクラエディタ、秀丸エディタ、、Cassava、Stirling等)を使ひたいからなのでテキスト處理が主目的な用途ではそこまで問題にはなりませんが(^^;

輕さで言へばWindows95ですがちょっとした事で青畫面出るからなぁ…。ゲーム程度ならともかくせっかく書いてる文書データが飛んで了ふ危險性を孕んでますからねぇ(笑)。

ならばNT4.0なら輕くていいのでは?とも思へますがポケ3やDOSモバとのデータ連携でPCカードを抜き差しする必要からPlug&Playに對應してないNT4.0はちょっと……

そんな譯でWindowsを使ふなら2000が一番バランスがいいので2000をインストールした状態でB-right/Vと切り換へながら暫く使ってみたのですが、やはり使ひ勝手が良くありません。手持ちのCFで他に使へるのが無いかと漁ってみた所、Silicon Powerの32GBのがありました。データが數GB分入ってたので中身をごっそりDVD-Rに保存。これを裝着してインストールして見ると、結果的に一番相性が良い樣でした。

Silicon Power 32GB(200x)

このCFは固定ディスクモードとして認識されます。そのお蔭かTranscendの32GBでエラーとなった區劃を切ったリムーバブルにWindows2000がインストールできないと言ふ問題も起きませんでした。MD-DOS區劃を作り先にMD-DOSをインストールするとファイルコピーができずWindows2000のインストールに失敗しますが最初からWindows區劃だけにするとHDDと同じ樣に區劃を切ってWindows2000とB-right/Vの兩方をインストールできました。Windows用に20GB、殘りをB-right/V用に。轉送速度は200x。使った感じでは必要充分です。本體の性能もあるんでCFの速度だけ上げても意味ありませんし(^^;

この樣に試行錯誤を繰り返して何とか實用上問題の無い組み合はせに辿り着きました。疲れた………(x_x;


インストールの手順

235には内蔵光學ディスクドライブが無いのでOSのインストールには外付けドライブが必要になります。CF-M34の樣に外付けUSB-CDDから起動できるなら樂なんですが235はUSB接續のドライブからは起動できません。FDDの接續がパラレルポートなのでICD-P300の樣なパラレル接續のCDDも使用不可です。從ってインストールに使用できる外付けドライブはATAPI(PCMCIA)タイプに限定されます。

※CFにWindows98の最低限のシステムを入れてPCカードから起動させる方法も考へられますがそれ用に手頃なCFが手元に無かったので試しませんでした。

ATAPIタイプのCDDからOSをインストールする場合、CDDから直接起動できれば樂なんですが235でCDブート可能な外付けドライブは殆どありません。まぁあるにはあるんですが……で、持ってるんですがnLiteを適用したWindows2000のCD-Rでは起動はするものの途中でエラーが發生し止まって了ひました(T T)

メーカー(RIOS)公認のドライブなのでWindows2000のインストールは問題無い筈なんですが、メディアがCD-R(太陽誘電製なんですけどねぇ)だからなのか或ひはnLiteで色々と削ったからなのか途中で止まって了ひます。

まぁCDDから直接起動しなくてもFDD起動でPCMCIA接續のドライブを讀ませればいいんでそちらの手法で行きます。

私が持ってるのはPanasonic製のKXL-808AN。これを持ってる最大の理由はB-righ/Vのインストール用FDから認識できるからです。チャンドラの樣な内蔵CDDを持たないハードにB-right/Vをインストールするには必須です。Windowsのインストールであれば當然使へるので傳統的な手法、Windows98の起動FDから起動させてCDDを認識させる方式を採ります。

さうした用途の爲に持ってるドライブなのでWindows98で起動させてCDDにあるWindows2000のインストールディスクを讀ませればいいのですが、¥i386にあるwinnt.exeを起動させファイルのコピーが始まると必ず途中で止まる現象が發生しました。


何度やっても止まります。再現率100%です。これではインストールができません。區劃を切ってOSのファイル群を一つの區劃に置ければいいんですがインストールファイル用の區劃を切ると何故かWindows2000のインストールファイルのコピーに失敗するので區劃を切れません。元のIDE-HDDでシステム構成した時にはそんな問題は發生しなかった記憶があるのだが…。そこで以下の樣に對處します。

CDにある¥i386¥winnt.exeを實行させるとインストール先となるドライブに$WIN_NT$.~LSと言ふディレクトリが作成されます。その下にi386ディレクトリが作成され、ここにOSのファイル群が一時的にコピーされるので、エラーが發生し止まった時點で手動でその操作を行なひます。

winnt.exeを實行させる爲にカレントはi386に移動してるのでそこから以下のコマンドを入力します。

xcopy *.* C:¥$WIN_NT$.~LS¥i386 /e

これによりwinnt.exeがインストール先ドライブに對して一時ファイル群をコピーしたのと同じ状態が作れるのでファイルコピーが終はった時點で[Ctrl]+[Alt]+[Del]を押して再起動を掛けます。

再起動されるとお馴染みのインストール畫面が現はれるので後は通常と同じ手順でインストールを進めて行けば完了します。但し、nLiteで無人インストール用に入れたプロダクトIDは有效にならないので手動で入力する必要があります(nLiteの設定ファイルをルートに置いてもダメ)。又、txfaux.dllが見つからないとエラーが出ますがキャンセルすればインストールは續行します(他の機種では出た事がありません。235固有かも)。このファイルがインストールされなかった事による問題は私が使用した限りでは表面化した事はありません。何か問題が出たらWindows2000のオリジナルCDからファイル持って來れば濟むでしょ(^^;

尚、この方法で再起動時にOSインストール畫面が出ない場合はMBRが設定されてない可能性があります。特に新品のCFでは注意が必要です。一度DOS等のOSをインストールした事があればその時にMBRが設定されますがさうでない場合は手動で設定しないといけません。fdiskコマンドでもいいですがこちらのツールが便利です。

B-right/Vのインストールは起動用FDから起動させればKXL-808ANを認識するので特に問題はありません。注意點があるとすれば、OSのバージョンが違ふと起動用FDが使へないのでインストールしたいOSのCDから直接作った方が確實です。CD内にあるbright00と言ふファイルをrawrite.exeでFDに書き戻せば起動用FDを作成できます。

無事にWindows2000が起動


やはり黒い筐體にIBMロゴですね〜(^^)


B-right/Vが起動中

※超漢字VですがVM環境ではなくネイティブインストールです。

BTRONにはお色氣要素が足りないので背景畫像だけでも(笑)。


以上でB-right/VとWindows2000のデュアルブート環境は構築できたわけですが今一つ納得行かない所があります。DOSもインストールできれば輕い環境でVzが使へるのに……誰か詳しい人、教へて下さい…(^^;


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