リフォーム業者に御用心 リフォーム業者に御用心


現在、神奈川の友人宅に滞在してるわけですが、数ヶ月前に家を買ったから泊まりにおいでと言われてたんですね。さすがに新築は無理なので中古なんですが。で、中古住宅と見るやハイエナの如く寄って来るのがリフォーム業者。友人の所にもあまりタチの良くなさそうな業者がやって来て屋根や外壁のリフォームを勧められたわけです。その時、壊れてもいない箇所をわざわざ釘を引っこ抜いて「こんな風に壊れてます」などと言って来たそうで、下手に断ると何をされるか分かったもんじゃない(次は別の所を壊して来るかも知れない)って事で嫌々ながらリフォームを頼んだそうです。

その中で業者が施工を忘れてて最後に形だけやった所があるって事で私がチェックしました。それがベランダの防水工事。本来は雨漏り防止やコンクリート躯体に水が進入して中の鉄筋等が爆裂するのを防止するのが目的の施工です。で、その業者がやった施工と言うのが…

色を塗っただけ

コンクリート躯体の建物のベランダでは通常ウレタン塗膜の密着工法・X-2を行ないます。躯体の高圧洗浄・清掃後に下地処理(通常カチオン系を使うが場合により省略)、プライマー塗布、ウレタン材塗布、補強用メッシュ(場合により省略)、ウレタン材重ね塗り、トップコート(保護層)塗布と言った工程になります。詳細を知りたい方はこちらをご覧下さい。
※ベランダがセットバックや陸屋根になってると絶縁工法(X-1)を取る場合もあります。場所がベランダなので脱気筒が邪魔になる時は脱気盤を使います。

また、ドレン(排水)周りは漏水しやすいので特に慎重な施工が必要になります。なので色を塗るだけなんて施工は論外なわけです。

それでは、悪徳業者がやった手抜施工をご覧いただきましょう。

躯体のクラック(ヒビ割れ)処理をしてません。通常はウレタン材塗布前にポリウレタン系シーリング材で埋めます。これをしないとクラックが大きい場合に防水膜を形成できません。それを色を塗るだけで浸水を防ぐなんて無理な話です。幸いな事に友人宅には深刻な浸水が起こる程の大きなクラックはありませんでした。




ケレン処理(表面を平らに削る作業)をしてません。友人曰く、掃除もせず砂やゴミが浮いた上にそのまま色を塗ったとか。




ドレン(排水)周り。ここも掃除をしてません。ゴミや砂が溜まった上に色を塗ってあるので、塗料が固まってストレーナーが外せません。これでは日常の掃除もできません。
※施工時に掃除するのは業者の仕事ですが日常の掃除は住んでる人の仕事ですよ。









よくもまぁこんな手抜施工で金を取るものです。

このド素人が!

施工技術が無いなら外注して専門家に任せろ!

それができないならそもそも請けるな!


私の滞在中にやり直そうと思ったのですが、滞在期間中に材料調達が間に合いませんでした。なので取り敢えずドレン周りを清掃してストレーナーも外せる様にしておきました。そして友人にはDIY用のベランダ防水キットを教えて自分でできる様に手順と注意点を教えておきました。




それにしてもリフォーム業者の低レベルさには呆れます。ただ、業者のレベルって実際の施工を見ないと判断できないのが問題なんですよね。この業者も結構大きな会社らしく、宣伝では綺麗事を謳ってるそうです。

もう一つの問題は、リフォーム業者って色々な施工をするけどそれぞれの専門家じゃないんですね。業界ではこれを多能工と言います。それぞれの施工を専門業者が見るとDIYに毛の生えたレベルでしかないわけです。一番分かりやすいのは電気工事でこれは免許が無いと施工をやってはいけません。間違ったら火災に繋がりますから。にも関わらず無免許で電気工事をやってる業者は存在します。単相2線式で黒(非接地)と白(接地)の配線が逆になってる事が時々あるとか。

多能工の中にも特定の専門業種だった人が必要に応じて他業種の技術を身に付けた人もいます。幾つかの業種を転職した人とか。そうした人だと必要なレベルの技術を持ってる事もありますが、最初から多能工として入るとそれぞれの技術を専門レベルまで習得するのは難しいわけです。

家を持ってる人の所へは色々と業者が営業に来ると思いますが、くれぐれも悪徳業者に引っ掛からない様にご注意下さい。そして工事業者だから何でもできるだろうと「ついでにここも…」などと頼まない事です。金額が掛かってもそれぞれの専門業者に任せる方が確実な施工をしてくれます。ただ、専門業者であってもレベルの低い悪徳業者は存在するのでこれはこれで注意が必要です。きちんとした技術を持つ業者を予め見分けるのは本当に難しいです。

(29/05/2677)

comments on social media
MasaGoto
2017/05/30 01:10:43
自己防衛するには親戚や友人にリフォーム業者がいるとか言って最初からはねつける以外にないでしょう。万一、業者が見るという場合には必ずビデオ撮影して立ち会わないといけませんね。
そして「あんた、壊したでしょ?」って裁判して、周囲や行政にこういう悪徳業者ですって訴える・・・。でも逆恨みが怖いですね。

クルマやバイクでも悪徳業者かどうかの見極めは大事ですね。ただ、買い取り屋というのはどこも悪徳業者にしか思えないのですが・・・。高めの買い取り額を提示しておきながら、いざ見てもらうと買い叩こうとする。そういう奴らには関わりたくないです。
コメントへの返答
2017/05/30 10:41:22
友人宅の場合は正に逆恨みしそうなタイプだった様です。いきなり壊れてもない屋根の上を壊して来て、断ったら更に別の箇所を壊して何がなんでも工事させようとするタイプだったとか。何とか最低限の所だけに留めたとの事ですがそのまま押し切られたら不必要な所までアチコチ施工してとんでもない金額を請求して来た事でしょう。行政(公安)って民事不介入とか言って実際に問題が発生しないと動かないのも問題ですね。

買い取り屋だとバイク王は酷いですね。知り合いがCB400SFを売ったんですが「3万ぐらいで買い叩かれなかった?」と訊いたら正にその値段だったとか。売る前に一言相談してくれれぱ良かったのに…。
まねこ
2017/05/30 06:41:26
神奈川のねこさんに会いに行こうツアーですか?

我が家も築30年前後なんでリフォーム業者きますよ。施工はやってもらわないと分からないですもんねー。私は基本的にアポイントがない営業は対応しないのですがこの前母が対応していました。

その業者は、以前悪徳で消費者センターに通報されたり裁判で訴えられたので心を入れ替えて再出発するために80%値引きしますと言ってきたらしいです

ハ(キ゚Д゚)(゚Д゚メ)ァ!?
ってか80%値引きできるって
原価いくらよ?
材料粗悪品でしょ?
色々ろくでもないのでお断りしましたw
コメントへの返答
2017/05/30 10:52:31
二度と取れないであろう長期休暇が取れたんで遠方で会えない友人・知人に会いに来てます。ニャン友さんにも会って来ました(^^)

まともなリフォーム業者も存在するのに悪徳業者が目立つのできちんとした業者さんは相当迷惑してるでしょうね。それにしても80%値引きって……。本当に原価どうなってんの?って話ですよね。

同じ材料でもメーカーによって品質レベルが違う事があるので金額に対してどんな材料を使ってるかを判断基準にする事も可能ですね。ウレタン防水材だとサラセーヌとプルーフロンと言えば本職の人ならピンと来ます。後者はプライマーを塗って一時間後くらいには何処に塗ったか分からないくらい躯体に吸い込まれます。当然値段も違うわけですが。安さと材料缶の使いやすさが取り柄と言われてます(笑)。

ただ自分に知識があるか親しい本職の知り合いがいるかしないと業者を見分けるのは本当に難しいです。私は本職の友人が何人かいてその業種に就職できるくらい鍛えられました。今でも時々呼ばれますし(笑)。
giantc2
2017/05/30 19:56:54
誘う業者は大体ろくなことないように思います。それにしても洗いもしないなんてあり得ませんね。内容は違いますが工場の環境設備の再塗装時にはケレンに最も時間を費やしてました。(部分的には穴が開くほど)
車もまずは下地作りでしょう。洗車もせずに埃の上から塗るなんて私でもやりません。
工場の設備はその後メーカー設置の新品設備よりも遥かに長持ちしたので、以降同じ設備の更新に際しては、メーカーに錆止めのみで納めてもらってから同じ塗装屋さんで塗ってもらうことにしました。
コメントへの返答
2017/05/30 23:51:04
自動車にせよ建築にせよ塗り物は下地が命なんですから洗浄すらしないなんてあり得ませんよね。ケレンで場合によっては穴が開くほどになるのも脆弱でない下地を出す為には必要な作業です。コンクリートでレイタンスは必ず除去する様に。

工場設備でメーカー新品より長持ちするなんてよほど腕のいい業者さんなんですね。施工予算の範囲で下地や環境に応じた最適な材料を選んでるんでしょう。そうした業者さんのツテがあると心強いですね。