ヤマハ トリシティ125(MWS125-C) ヤマハ トリシティ125(MWS125-C)






RV125EFiの後繼としてゾロ屋根装着車にすべく乘り換へました。RVの性能に不満は無かったのですがやはり外車なので部品供給の不安が付き纏ひます。一應生産中止後も視野に入れてセンサー類やゴム部品等代替が利かない部品はある程度ストックしてあったのですが、トリシティがブルーコアエンジンを搭載した事でかなり迷ふ事になりました。

元々RVを選ぶ時に本當はヤマハである事からマジェスティ125を候補としてました。しかし臺灣製のせいかヤマハが日本國内で正規に認めてをらず部品供給の心配がありました。又、メットインは本當にヘルメット程度しか入らずフロントに若干の物入れスペースはあるもののフロアがフラットでなく積載量が少ない事も自分の用途には合ひませんでした。

トリシティも積載量に關してはRVから四割くらい減りますがブルーコアエンジンの効率や性能に惹かれかなり迷ふ事となりました。結局、ヤマハの信頼性や将来的な部品供給の利點を選びRVから乘り換へました。

※車體購入時でゾロ屋根の納期が發註から四ヶ月となってました。なもんで現状では屋根無しのままです(^^;


・長所

さすがヤマハだけあって作りはしっかりしてます。RVではバッテリーにアクセスするまでにテールランプ下カウルを外した上で右サイドカバーを外すなど面倒な作りになってましたがヤマハだけあってそんなズボラな設計はしてません。スクーターなので普通のバイクに比べたら色々と面倒ではありますが(;´Д`)

RVでは細かい所で日本メーカーより製造精度や材質の低さを感じました。トリシティは製造はタイですが日本メーカーだけあって精度や素材はSYMよりしっかりしてる印象です。

・ブルーコアエンジン
トリシティに乘り換へた最大の理由。早速SP忠男のマフラーを装着したのもありますが低速域から高速域まで125ccのスクーターとは思へない力強さを感じます。交通の流れに遲れる事もなくシティコミューターとして充分な性能を發揮します。燃料の消費が少ないのも効率化を追求したエンジンの特性と言へるでせう。SP忠男のマフラー及び強化點火コイル+プラグによって更に性能を引き出した結果と思ひますが峠道の登り勾配でもストレスを感じないどころか遲い車を突つき廻せるくらい走ります。

數々の規制に雁字搦めに縛られ特に小排気量ではまともに走るバイクを作るのが困難な中で(90ccクラスの絶滅がそれを物語ってます)乘用車のハイブリッドみたいな小手先技に頼らず内燃機關の効率を引き出したヤマハの技術力には驚嘆します。アルミにシリコンを含有させたシリンダーの素材やオフセットされたシリンダーなど内燃機關は未だ可能性を秘めてゐるのだと感じました。

・LMW
最大の特徴であるLMWによる安定感は抜群です。低速時のふらつきに關しては個人的に評價できません。私はオフロードも走りますし前のRV125でも低速域でふらつかずに走らせてたので。但し、足を前に投げ出すスクーターの樣に前後に突っ張ってバランスを取らなくても安定してるので前二輪による安定性への貢獻は大きいのだと思ひます。

コーナリングは「樂しい!」の一言です。スクーターの乘車姿勢のままコーナーを攻めてもガンガン行けます。さすがハンドリングのヤマハ。調子に乘って攻めるとセンタースタンドを擦るので程々に。又、すり抜け時に違和感が無いからと縁石に寄り過ぎると左前輪が縁石に當たりハンドルを取られてバランスを崩します(^^;

トリシティでこれだけ樂しいならNIKENはさぞかし……

私が既にKZ持ってなかったらNIKENを選んだ可能性が高いです。さすがに大型二臺は無理(^^;






・部品供給(^^;
當然ですが日本メーカーなので部品供給で困りません。RVではモノによっては臺灣から輸入待ちなんて事もありましたので(T T)

早ければ發註の翌日には届きますし送料も掛かりません。やはり國産はいいですね〜(^^)


・短所

・シート形状
巷間言はれるシート形状はやはり缺點でせう。長時間乘ってると尻が痛くなります。シート素材が硬く形状もややカマボコ状なので腰掛けるのではなく跨るタイプのシートに近い感じがします。RVからの乘り換へだけにこの點は際立つ缺點に感じます。

・メットインが狭い
RV購入時にマジェスティが候補から外れた理由でもありますがヤマハ車のメットインは本當に狭いです。ヘルメットとグローブ一雙くらいしか入りません。厚手の冬用グローブではヘルメットの中に入れる必要があります。ブルーコアエンジンになる前の舊モデルに比べれば容量は増えてるとの事ですがそれでも容量が少ないと感じます。

燃料タンクの位置からあまり大きくできないのかも知れませんが、晴天用のグローブと雨天用のグローブ、レインウェア、折り疊み傘、タオル、くらいは常備できる容量が欲しいものです。

・メットインの照明スイッチ
シートを開けると自動でLED照明が點燈します。シートを開けっ放しにしてると當然ですが電力を消費します。必要な時だけ點燈すればいいんだからスイッチくらい手動にして欲しいです。

・ライトが常時點燈
どこのバカが作った法律かは知りませんが全くもって迷惑な話です。ライトを點燈すべきか否かは運轉者が自分で判斷すべき事。それができない人間に免許を與へる方が間違ってます。常時點燈により被視認性が上がる?全部の車輛が常時點燈になったら逆に目立たなくなりますけど?四輪から見えにくい?だったら四輪のピラーを全廢するなりして自身の視認性を確保するのが筋でせう。自分の不都合を他に押し付けるなと。

RV125でトラブルが起きた時に常時點燈でないお蔭で家に辿り着くまでバッテリーが持ちました。電子制御滿載の現代の車輛では特に電裝系トラブルは致命的なのに常時點燈のせいで歸還できる筈の所を歸還できなくなったらだうしてくれるのだと。RVでは本國臺灣仕樣のスイッチボックスに交換する事で解決できましたがトリシティではタイ仕樣でもスイッチは無い樣です。

・工具はプラスドライバーだけ
車載工具はシート裏に嵌め込まれたプラスドライバー一本だけです。これで何をしろと?

RVではプラグレンチとレンチを廻す棒兼用のドライバーが附屬してましたがトリシティのプラグ位置では首振りレンチ必須なのでプラグレンチは附屬させられないのでせう。

・センタースタンドの形状
基本的に整備の時にしか使ひませんがスタンドとエンジンの隙間が狭くスタンドを掛ける時に爪先が何とか引っ掛かる程度なのでスタンド掛けが腕の力で上げる感じになります。普通はスタンドを踏んで體重を乘せながらだと思ふのですが……。サイドスタンドの状態ではエンジンが強制的に止まりますしセンサーをキャンセルしてないと使ひ難いのではないかと思ひます。トリシティに乘る人はブーツやライディングシューズではなく薄手の靴しか履かないと考へてるのでせうか?

・キックペダルが無い
ブルーコアエンジンになる前のモデルではキックペダルの取り付けが可能だった樣です。が、乘り換への主目的がブルーコアエンジンなのでだうにもなりません(;´Д`)

RVではトラブル時に何度もエンストしながらキックでエンジンを掛けて家まで辿り着けましたがさうした場面になった時が不安です。ヤマハの技術力ならそんなトラブルは起きない……といいな。とは言うものの前にZZR250で友人の家に行った際、外がいつの間にか大雪になっててバッテリーが死に掛けた事があります。取り敢えずエンジンは掛かったので何とか家まで辿り着けましたがバッテリーはそのままお亡くなりになり交換するハメに。かうした所はフラマグ點火でキック始動可能の單純な造りの方が好みです。


・一般に短所とされる所

・車體の重さ
一般に車體が重く取り回しがキツいと言はれますがそんな事は全くありません。RV125EFiも同じ位でした。160kg程度なら250ccクラスのバイクと變はりません。坂道を押して登れと言ってるわけでは無いのですからこれが重いと感じるなら女性はともかく成人男性なら先づ自分の健康を疑った方がいいです。トリシティが重いと言ってる人は原付しか乘った事が無いのでせうか?免許取得の時に取り廻しができるかの事前審査は受けてる筈ですが。

・足つきの悪さ
これも特に悪いとは思へません。トリシティの場合、構造上足を前方に投げ出せないので膝が窮屈にならない樣にフロアからシートまでの高さを確保する必要があります。その結果、トレール車みたいに爪先がやっと地面に届くか届かないかになるならともかく、踵が浮く程度なら横から誰かに蹴飛ばされでもしない限り車重を支へるには充分です。足つきが悪いと言ってる人達は餘程身長が低いか原付やアメリカンを比較對象にしてるんでせうか?


・ノーマルからの改良點
使ひ勝手の向上の爲にあちこち手を加へてます。

・サイドスタンドセンサーのキャンセル
サイドスタンドを立てた状態だとエンジンが掛かりません。エンジンを掛けた状態でサイドスタンドを出すと強制的にエンストします。お節介で鬱陶しいので納車當日に家に着いたら早速キャンセルしました。サイドスタンドの所にセンサーがあるのでボルト2本を外してセンサーをステーの裏側に廻せばスタンドと接觸しなくなるのでキャンセルできます。

・SP忠男 POWERBOX FULL S TitanBlue(メーカーサイト)


RVと同じくゾロ屋根を付ける以上雨天走行が前提となるので錆びない素材のマフラーに交換しました。製品は多々ありますがやはり性能を重視するなら試驗を繰り返して最適値を見つけ出したSP忠男製がベストと判斷。素材はステンレスとチタンがありますがチタンの方が200g(罐コーヒー一本分)ほど輕い事からチタンを選びました。元々は燒き色が付けられてましたがトリシティの性能からしてそんな温度になる筈はないので磨いて色を落としチタンの地の色を出しました。

新車で直ぐに装着したのでノーマルとの比較はあまりできないのですが出足のトルクがやや強くなった感じがします。又、新車購入→マフラー交換→第一囘目給油時の燃費が35km/Lだったのに對し慣らしの爲のツーリングとは言へ最低50km/L、最高で53km/Lの燃費を叩き出したのはマフラーによって効率が上がったのだと思ひます。RVではRSヨコタのステンレスマフラーを装着してましたが出力が上がった感じはありませんでしたし期待もしてませんでした。本當に錆對策だけです。しかしSP忠男のマフラーは性能を引き出してると感じます。

トリシティは車重があるので上り坂に弱いと巷間言はれる所ですが、實際に走ってみると平地ほどではないにせよアクセルを開けただけグイグイと登って行きます。RVでは峠道くらいの勾配になると「非力」「登らない」と感じたものですがトリシティではそれらを全く感じさせません。ノーマルのブルーコアエンジンのトリシティが本當に坂道に弱いのならこの力強さはSP忠男マフラーと後述する強化點火コイルによりエンジンの性能が更に引き出されたのだと思ひます。値段的には決して安い部類には入りませんがその金額を出す價値のあるマフラーだと思ひます。コミューターとしてであっても快適でストレスを感じない走りを求めるなら是非とも導入すべきパーツです。

・ÖHLINS リアショック Type:S36PC1 No.110013


タイオーリンズ製の專用品。トリシティ用Rショックで最も評價が高いです。ブルーコアエンジンのトリシティは初期型と若干構造が變更されてるので附屬する説明書通りには取り付けできず加工が必要です。

こちらも新車で直ぐに装着したのでノーマルとの比較はできません。しかし、實際に走行してみて結構大きなギャップを越えても底突きしたり跳ねたりせず衝撃を吸収してゐる印象を受けます。日常の移動手段として稼働率が高いからこそかうした所には高性能な物を選びたいですね。

とは言ふものの衝撃吸収能力ではオフローダーのノーマルサスに敵はないわけですが(^^;

・Advance Pro 強化點火コイルIGC-YD02(メーカーサイト)


メーカーがコスト的にそこまで品質を上げなかった所を補ふ社外品があるのは嬉しいです。併せてプラグも定番のMotoDX CPR8EDX-9Sに交換しました。SP忠男のマフラーとの相乘效果だと思ひますがエンジンの性能を引き出したいなら交換すべきパーツだと思ひます。

プラグ交換には磁石付き首振りレンチ必須です。特にブルーコアエンジンモデルにSP忠男マフラーを装着した場合はエキパイのトグロがプラグの下邊りに来るのでエンジン下側からのアクセスにはマフラーを外す必要があります。なので上側から首振りレンチを使った方が早いし樂です。

・WirusWin パイプハンドル化キット(メーカーサイト)


スクーターのハンドルはノーマルでは構造上角度調整ができません。RVでは純正流用でパイプハンドル化しましたがトリシティでは社外品、しかも一社しか選擇肢がありません。

取り付けはかなり面倒です。ハンドル周りの分解はカバーを外す爲に先にミラーを外すなど順番がありますし、何でこんなネジの付け方をしたのか疑問に思ふ箇所もあります。純正ハンドル根元を固定するナットはかなり固いのできちんとした工具を使はなければナメてフロント周り全バラコースになり兼ねません。自信の無い人はショップに頼んだ方が賢明でせう。

ケーブルやホースの取り廻しはポスト前方の穴から、スイッチに繋がるケーブルはそこから更にハンドルクランプの下を潜らせる形になります。Rブレーキのホースはカウル内部の固定クリップを外して緩めてやらないと長さが足りませんでした。

装着して了へば普通のバイクみたいにすっきりします。ハンドル周邊の整備の爲にいちいちカバーを外す必要がありません。但し、トリシティのハンドルカバー内には電装系のカプラーが幾つかあるのでパイプハンドル化するとそれらが剥き出しになって了ひます。雨對策として何らかのホースで覆って了った方が良いでせう。私はスリットチューブを被せました。



このハンドルは純正より肉薄らしくグリップエンドがスカスカになります。私は不織布テープを巻いて厚みを付け抜け防止にしました。又、形状的には純正よりやや絞り氣味の樣です。メーカーによればトリシティのハンドルは特殊で適合するサイズが無いので專用設計したらしいですが、ケーブルやホースの關係上あまり自由度が無い(※)ので他に適合するハンドルを探すのは實際に取り付けてみないと判らず面倒でせう。

※例へばブレーキのマスターシリンダーは左右がケーブルで繋がってます。UBS(前後連動ブレーキ)の爲の構造なのですが、試しにRブレーキ側のケーブルを外してみた所スカスカになりブレーキが掛けられなくなりました。F側へ張力が掛かってないと駄目な構造です。從って左右のマスターシリンダーの幅はケーブル長が限界となりハンドル形状もそれに合はせないといけません。


・ヤマハ純正 YZF-R6用スイッチ(ハンドル5 13S-83969-00)


トリシティでは定番の純正流用スイッチです。ノーマルは安っぽく作りがチャチなので加工に自信がある人は交換した方がいいです。ハザードとパッシングが使へる樣になるのも便利です。そのままではハザードが點滅しないのでLED對應ウインカーリレーへの交換が必要です。

・KN企画 リアインナーフェンダー


トリシティで走ってるとリア周りのあちこちに砂粒が付着します。晴天時でこれですから雨天時は……。ゾロ屋根を付けて雨天走行を前提とするなら泥撥ね對策は必須です。幸ひ社外品が幾つか出てるので早速導入しました。同じブルーコアエンジンを搭載したNMAXと共通の樣です。

取り付けは簡單。車體とタイヤの隙間からフェンダーを入れて左側はエアクリーナーをずらして隙間に羽根の部分を差し込み。右側はブレーキホース固定用のクランプと共締め。これでタイヤとのクリアランスは一應確保されてます。何で標準で装備してないかなぁ……

・荷物用フック


これも定番ですがタンデムグリップの下部分にボルト穴があり荷物用フックの取り付けが可能です。純正ボルトは廢盤となってますがM5のキャップボルト20mmで代用できます。私はホームセンターでステンレス製のを買って来て取り付けました。これによりRVではフロアに置いてた荷物をリアシートに載せられる樣になります。猫キャリーの積載場所が心配でしたがこれで一安心です(^^)

・ヤマハ純正 グリップウォーマー360C(Q5K-YSK-063-Y42)


日常の移動手段として稼働率が高いので真冬でも乘れる樣に取り付けました。RVではBuggy製のハンドルカバーを装着してましたがトリシティではブレーキマスターシリンダーとミラーステーの位置關係によりBuggyカバーのスリットと上手く位置が合ひません。カバーの装着自體はできなくは無いのですが、ゾロ屋根のワイパースイッチはミラー根元にステーで固定するのでスイッチ位置とカバーの相性が良くないです。又、純正オプションにもあるナックルガードの類はゾロ屋根のカウルと干渉するので裝着できず冬對策の選擇肢はグリップヒーターになります。

装着には電源カプラーと本機を接續する爲にワイヤーリードビッグスクーター3(Q5K-YSK-001-U54)が必要になります。他にも電源を要する機器を装着するには更にワイヤーリード三口分岐(Q5K-YSK-001-U47)が必要になります。私はゾロ屋根のワイパー用電源も必要なので三口分岐も用意しました。カプラーや端子を手元に澤山持ってる人は自作した方が早いかも知れません。そんなの持ってない人は素直に買った方が早いです(^^;

取り付けは特に難しい事はありません。一番面倒なのは右グリップからスロットルワイヤーを外してグリップヒーターに付け替へる時だと思ひます。2本のワイヤーに遊びが殆ど無いので先づ片方を緩めるその片方で苦労すると思ひます。當然ですがグリップヒーター側に取り付ける時も同じです。スロットルボディー側を外せば簡單に緩められますがそこまでバラすのが面倒な方は素直にショップに頼んだ方がいいでせう(^^;

配線に關しては純正だけあって單純に接續するだけです。車體側にある電源カプラー→ワイヤーリードビッグスクーター3→ワイヤーリード三口分岐→グリップウォーマーの順に取り付ければOKです。

ワイヤーリードビッグスクーター3には電源側のカプラーが2つありますが、これはカプラー形状の異なる別車種用と思はれます。實際に差し込めば判るので迷ふ事は無いでせう。


・ヤマハ純正シートカバー(907-936-318-000)


ワイズギアから出てる純正シートカバーです。

夏場の直射日光や雨で直接濡れる事によりシート表皮が劣化しない樣に取り付けました。シート丸ごと交換になると高いですから(^^;

表面はかなりザラザラしてをり着座位置から滑らない樣に配慮してると思はれます。通勤用途程度なら必要性は感じませんが。

装着するとタンデムシートの境の位置にある段差で中に空間が出来ます。このシート形状、何とかならんのですかねぇ……

装着したからと言って特に性能的に何かが向上する物ではありませんがシート表皮の劣化により丸ごと交換するのが嫌な人は装着する意味があると思ひます。氣にしない人は無くてもいいかと(^^;