安保法案のニュースを見て思う事 安保法案のニュースを見て思う事


写真は安保法案の強行採決として朝日新聞が報じたものである。


率直な感想を言おう。

小学生か、お前らは!

この写真はインターネットに上げられていたものである。つまり世界中の人がこれを見られると言う事である。日本の国会は、延いては日本と言う国家はこんなレベルなのだと世界中に曝け出しているのだ。

そもそも議会とは言論によって、言論のみによって相手を説得する為の場である。これが確立したのは1846年のイギリスである。与党の法案によって食料輸入を規制した結果大量の餓死者が出た為与党が掌を返して野党の法案路線を採った事に端を発する。これに対し与党議員であったディズレーリが野党の法案が正しかったのなら与党は潔く下野し野党に政権を譲るべきだと演説し多数の議員が賛同した事から政権が崩壊。これを機に議会は言論のみによって相手を説得する場である事が確立したのである。

1846年の日本はどんな時代であったろうか。日本は現在に至るもその頃にイギリスに追いついていないのだ。これで先進国を名乗るなど笑止千万と言うものである。

戦争が出来る様に制度を整備する。これは国家にとって必要な事である。反対する人は頭がおかしいか単なる無知である。曾て台湾で初めて国家の代表を選ぶ選挙を行なった時、軍事力を使って威圧した国がある。私は当時北米大陸某所に住んでいたが台湾人留学生達のピリピリした空気を良く覚えている。家族が危険に曝されているし故郷が無くなり帰れなくなるかも知れないのだから当然である。そして台湾が取られたら次は沖縄の番だと話し合っていたものだ。当時そんな話が通じる日本人は私しかいなかったわけだが(笑)。

この時台湾が日本国憲法9条の如き平話主義を振りかざして何もしなかったらどうなっていたか? 選挙によって自分達の代表を選ぶ事が出来たのか? 民主主義(選挙)によって自由を勝ち取ろうとする台湾を守ったのはアメリカの軍事力では無かったのか? そして台湾を威圧する国とアメリカの間で戦争が起き大量の死者が出たのか? 反対派はこの歴史的事実を良く考えて見よ。

戦争を出来る様に制度を整えたからと言って「直ちに戦争を起こす必要性は無い」のだ。必要になった時に必要な行動を取れる様にする。ただそれだけの事である。

だからと言って私は現在の与党のあり方に賛成しているわけではない。何でもかんでもアメリカ追従の姿勢はまるで飼い犬である。国家を運営する立場にある者は第一に自国の利益を優先しなければならないのだ。アメリカに協力して戦争をする。それが良いのか悪いのかは「その戦争に参加する事が日本にとってどんな利益があるのか」によって判断されなければならない。利益が無ければそんな戦争などする必要は無い。しかし今の日本の議会でそうした視点を持つ者はいないであろう。賛成派にも反対派にも。

ついでに言及しておくが私は先述の台湾の事件の時、日本は軍を派遣するべきだったと思っている。曾て日本の一部であった台湾が日本の手を離れて数十年の間どれだけの辛酸をなめて来た事か。その長年に渡る苦労の甲斐あってやっと民主主義と言う手段によって自由を勝ち取ろうとしていた「曾ての同胞、現在の友邦」を守るのは当然の事ではなかったのか? それはアメリカの役目ではなく日本こそが担うべき役目だったのではないか?

戦争はするべきではない。私もその考えに賛成する。しないで済むならそれに越した事はない。しかし戦争をする実力と意志があればこそ戦争を回避できる場面もあるのだ。平和、平和と唱える事が逆に戦争を招く事があるのだ。実例を知りたければヒトラードイツがどの様に台頭して来たかを調べてみればいい。その歴史的事実を知った上で尚、戦争反対を唱えさえすればいいと言うのなら、やはりそれは頭がおかしいと言わざるを得ない。ヒトラードイツの台頭の経緯を理解できないと言うのであれば知能が足りないと言わざるを得ないであろう。


(18/09/2675)

comments on social media
giantc2
2015/09/19 23:19:44
台湾について全く詳しくないので
おかしなことを言ってしまうのかも
しれませんが、

20年以上前、社員旅行で台湾に入った時
現地ガイドの台湾人中年女性は
「日本は私たちを利用してさんざん稼いだ」
と言う事を言われ困惑した事を覚えています。

まだ政治や社会に無関心だった元祖新人類
の私には結構印象に残りました。

台湾については比較的印象が良い私ですが
かつての戦争以降こういう側面があったのかと
今でも時々考えてしまいます。
コメントへの返答
2015/09/20 01:23:35
台湾の事情は結構複雑なので…
住民だけ見ても漢民族系に本省人(日本統治以前からいる漢族系)と外省人(国民党と共に台湾に逃げて来た支那人)、本省人は福建系と客家系に分かれます。漢民族でない高砂族は共通言語が日本語と言うくらい種類が多いわけで(^^;
その中で個々人の思想信条があるわけですから色々な事を言う人が当然いるわけです。

私が台湾人留学生達と話していた時ですが、ある一人に台湾語で話し掛けたら「?」と言う顔をされた事があります。どうも言葉が通じなかった様で他の台湾人に「何であいつは台湾語が通じないんだ?」と聞いたら「あいつは外省人だから」との事でした。自分は「中国」人だと思っているので台湾語を理解するつもりは無いらしいです。

因みに国民党治下の台湾では長い間公の場で台湾語を使う事は禁止されていました。学校で台湾語を使うと罰金を取られたとか。その為「戦後」世代の台湾人は台湾語を軽視する風潮もありました。最近では学校で教えるくらいに変わったそうですが。

台湾に付いて知りたいのでしたら『台湾 苦悶するその歴史』(王育徳・著)がお薦めです。各時代の概略がつかめます。特に日本時代と国民党時代は著者が現実に生きた時代なのでナマの声と言えるでしょう。これを読むと小林よしのりの『台湾論』がこれの焼き直しである事が解ります(笑)。多分これよりいい本が無いのでこれをベースに漫画を描いたんでしょう(^^;

ついでですが『台日大辞典』と言う台湾語辞典としては最大級の辞典があります。編纂は台湾総督府で当時の台湾語研究がどれだけレベルが高かったか伺えるものです。これに対して朝鮮総督府の『朝鮮語辞典』は内容が物足りなさ過ぎる事で有名ですが(笑)。ただ朝鮮には民間が出した『朝鮮語辞典』(文世榮)がありますからね。説明も全部朝鮮語で書かれてるので日本人が使うには難しいのが難点でした(^^;