玄關の照明を交換してみた 玄關の照明を交換してみた

我が家の玄關には螢光燈式のセンサーライトが取り付けられてゐたのだが、これを消費電力の少ない發光ダイオード(LED)式の物に交換してみた。別に機械としての壽命が來てゐたわけではないのだが、偶々カバーを外して掃除をした所とんでもない事實が發覺したからである。

うちの玄關には元々は白熱電球式の照明が付いてゐたのだがスイッチが遠い爲、外から歸って來た時に玄關は眞っ暗。私は大して氣にしなかったのだが不便に思った家族が業者に依頼してセンサー式に交換したわけである。因みに私は施工にも一切立ち會ってゐない。歸って來たら既に交換された後であった。

今回取り外した製品だがNEC製の3LE60である。


外してみた所、何かがおかしい。かうした機器には規格があってメーカー問はず取り付け可能な筈なのに現物合はせで無理やり施工した感じなのだ。そこでウェブを漁り本來の状態を見つけた。


そしてこちらが我が家の玄關に取り付けられてゐた現物の畫像である。


見ての通り本體に穴が開けられてゐる。元々付いてゐたのが電球型の照明だったのでそのソケットを取り付ける爲の金具が天井ボード内部にあった。ネジピッチは約65mmであり3LE60に開けられた穴もそれに合はせたものである。3LE60は引掛シーリングを使って取り付ける仕樣だがうちの玄關天井が引掛シーリングで無かった爲に天井内金具のピッチに合はせたネジ穴を開けたのであらう。

ところが實際にはこの穴の片方しか使はれてゐなかった。畫像を見れば解るがこの位置でネジ止めするには中央部のユニットを外さなければならない。

本體中央にはセンサーユニットがある


こちら側はそのままネジ止め可能。


こちら側は角度的にドライバーが入らないのでユニットを外す必要がある。


そこでこの業者、何をやったかと言ふと本體の何も無い箇所に穴を開け天井のボードと直にネジ止めしたのだ。




因みにうちの玄關の天井は石膏系のボードであり木材ではない。從って、こんな所にビスを打ち込んだ所で強度は出ない。襖に画鋲で時計を引っ掛ける樣なものだ。

この穴にビスが打ち込まれてゐた


反對側にも同じ樣な穴があった。恐らく最初こちら側で失敗したので反対側でやり直したのであらう。


ボードに打ち込まれてゐたビス。

ボードに打ち込まれたビスでは本体を支へる強度は出ないので結局一本のボルトのみで吊られてゐた事になる。

ソケット等を金具に取り付けるボルト。

こんな小さなボルト一本で、しかも片吊りと言ふバランスの惡い状態で本體を支へてゐたわけだ。因みに3LE60の重さは1.5kgである。よくも今まで落下しなかったものだ。

これがプロの仕事ですか?

本體に次いで壁のスイッチも開けてみたが…スイッチ部に挿し込まれた配線は見事に切斷されてゐた。




切斷した理由は恐らくセンサーライトなので壁スイッチは不要と判斷して直結にする爲だったと思はれる。が、見れば解るがこの配線はマイナスドライバーでネジを緩めれば簡單に外せる。何故切斷する必要があるのか?抑々、壁スイッチは常時ONにしてをけば濟む話であり切斷する必要など無いのだ。何故こんな餘計な事をするのかと。

因みに配線はカプラーで直結されてゐた。絶縁の意味でもこれは正しいであらう。が、3LE60本體と天井内の配線は金屬製のカシメが使はれてをり絶縁はビニールテープを卷いただけであった。何故統一しないのだ…

今回照明器具を丸ごと交換したのは、このあまりに粗雜な施工に呆れたからである。

照明器具本體を何にするかは迷ったのだがセンサー内蔵のLED電球を使ふ事にした。色々と調べた結果、センサーの壽命を考慮しなければならないと考へ、それなら電球一體型の方が價格面で手頃と判斷したからである。

そこで近所のホームセンターで天井の金具に合ふサイズの引掛シーリングを調達し、引掛シーリングに電球を取り付けられるアダプタソケットも併せて調達した。これなら後になって別の照明器具に交換する場合でも融通が利くからである。センサー付きLED球と言ふ時點でアイリスオーヤマかムサシの二擇しか無いらしいのだが今回はアイリスオーヤマ製のLDA6N-H-S5にした。特に性能が良いとかでなく電器屋にはムサシ製が置いてなかったのだ(笑)。ついでに壁のスイッチも新品に交換した。

さて、ここまで讀んだ人はある事にふと氣付くであらう。

天井に引掛シーリングを取り付けた?

3LE60本來の取り付け方式は引掛シーリングなのでは?

その通り。つまり業者が最初から天井に引掛シーリングを設置してゐれば何も問題は無かったのだ。わざわざ本體に穴を開け、強度の無いボードにビスで止める必要は全く無い。

恐らくこの業者は必要な部品を持ってなかったのではないか? 壁スイッチと天井側で配線接續・絶縁のやり方が違ふ事からもさうとしか思へない。しかし、私は引掛シーリングを近所のホームセンターで買って來たのだ。つまり持ち合はせが無いなら買って來れば濟む話なのだ。部品代はたかだか數百圓である。それをしなかったのは早く作業を終はらせたかった爲であらう。わざわざ部品を買ひに行くのが面倒だからと。或ひは他の仕事の豫定が入ってをり時間が無かったのかも知れない。

が、業者と言ふのはプロである。必要な機材を豫め揃へてをらずあり合はせで體裁だけ取り繕ふ樣では手抜き工事と言はれても仕方あるまい。この施工を見る限り、相手が素人だから、見えない箇所だからと無理やり取り付けた事は明らかである。

もし私が自分で發註し施工に立ち會ってゐたならその場でケリを入れ叩き出したであらう。しかし、こんな業者は世の中に多數存在してをり、それがプロとして通用し、素人である客は手抜きに氣付かないのが現實である。

勿論、雜な業者ばかりではない。中には丁寧な施工をする業者も存在する。私が自ら發註し施工にも立ち會った玄關網戸の業者は實に丁寧な施工をしてくれた。だが、良い業者か否かを豫め見分ける事は難しい。人づてで紹介して貰ふアテでも無ければ實際の施工を見る迄は判らないのが現實なのだ。この雜感を讀んだ人が業者の施工にまう少し目を光らせ手抜き施工を防止する役に立てれば幸ひである。

交換完了


(05/08/2674)

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