SYM RV125EFi SYM RV125EFi




キャビーナの後繼として導入した屋根付きスクーターです。と言っても屋根は社外品なので車輛と屋根は別々に入手しました。メーカー公式サイトの情報はこちらです。

本當はヤマハの方が好みなのでマジェスティ125にしたかったのですがシート下収納がヘルメットだけしか入らないくらい小さい事(フロント側には合羽くらいなら入るらしいですが)、臺灣製造の爲かヤマハが日本國内で正規に認めてをらず部品供給に難がありさうだった事などから却下せざるを得ませんでした。

ゾロ屋根の取り付けは特に難しい事はありませんがフロント部分の固定に數ヶ所穴を開ける必要があるので電動ドリルが必須です。


・車輛の長所

さすが125ccだけあって90ccのキャビーナより動力性能があります。Rサスが片持ちのキャビーナと違って二本あるお蔭でタンデムも餘裕です。キャビーナは二人乘り出來ませんでしたし。なので人間二人までなら四輪を使ふ必要性を感じませんし、寧ろ小廻りが利く事や出先の駐車場を氣にしなくていいので四輪より便利です。

良く廻るタフなエンジンはさすがホンダの技術を繼承しただけあると言えるでせう。メーター讀みで100km/hでも未だ餘裕があります。キャブモデルのJPが冬場の始動が苦手だったのに對しインジェクションの本モデルは真冬の早朝でもセル一發で始動します。

大きめのシートは乗車姿勢の自由度が高くタンデムも餘裕です。低速時には足をフロア前方に投げ出した姿勢で突っ張り腰をシートのホールド部に押し付ける樣にすると安定します。

巨大なシート下收納。この車種を選んだ最大の理由はこれです。ヘルメットに加へ地圖やタオル、レイングローブや傘などあると便利な小物を收納できるのでトランクボックスは丸々仕事や買物の荷物用として使へます。キャビーナでは盗難防止用バーロックを收納する爲の窪みがありましたがRVにはありません。かうした點はホンダの商品作りの上手さだと思ひます。又、廣いフラットフロアは緊急に荷物が増えた時に重寶します。知り合ひからプリンター複合機が要らなくなったから持って歸らないか?とか家族から掃除機を買ったから家まで運んで欲しいと電話が来た時とか、結構大きめの荷物を積む必要に迫られた時はRVを選んで良かったと思ひます。猫を病院へ連れて行く時も餘裕でキャリーを置けるので便利です。


・車輛の短所

專用設計ではないのでエンジン音が籠もる感じです。キャビーナから乘り替えた直後はややうるさいと感じましたが直ぐに慣れました。

キック始動は可能ですがセンタースタンドを立てた状態でないと踏み下ろした時に地面に當たるので使ひ勝手がいいとは言へません。

燃料タンクはフロア下に配置されてますが給油口はフロント左側までホースを延ばして配置されてます。が、微妙にハンドルが邪魔で且つ燃料がどれだけ入ったかが見づらいのが難點です。夜間の給油では暗くて見えないので懷中電燈が必要です。


・ゾロ屋根の特徴

キャビーナより幅広のスクリーン・屋根のお蔭で若干ですが濡れにくくなります。キャビーナの方が優れてると思ったのがスクリーン兩側を曲面にして作られた溝。屋根からの雨水がこの溝を通って下へ流れます。ゾロ屋根ではさすがにそこまでの加工はコスト的に難しい樣でスクリーンから屋根までの側面に貼り付けるゴムを跳ね上げる形状にして代用してます。

スクリーンと屋根の重なりが何故か逆になってます。キャビーナでは屋根がスクリーンに被さる樣な重なり方をしてたのですがゾロ屋根ではスクリーンが屋根の上に被さります。その爲、重なりの兩端に粘土の樣な充填材が必要になり、充填材が劣化したりしっかり隙間を埋めてないとスクリーン内側へ水が流れ込みます。


・改良點

所謂カスタムはしてませんが、實用性向上の爲に幾つか變更點があります。

・本國仕樣右スイッチボックス


前照燈の消燈及び薄暮燈への切り替へが可能になります。RVの前照燈はメインスイッチをONにした時點で燈くので直ぐにエンジンを掛けないとバッテリーが消耗します。日本の規制に合はせる爲に單純にスイッチを省略し内部で直結にしてあるからです。トラブルが無い時は恩惠を感じないかも知れませんが歸宅中にバルブクリアランスが狂ってアイドリング不調になりに何度もエンスト・セル始動を繰り返した時は助かりました。燈火を薄暮燈にして電力消費を抑へエンストの度にセルを廻しても何とか家に歸りつけるまでバッテリーが持ちました。常時點燈だったら途中でバッテリーが上がって立ち往生したと思ひます。

・180JP用パイプハンドル


社外品パーツよりも兄弟車180JPの部品を流用した方が安價なのでこれを使ってパイプハンドル化しました。取り付けはボルトオンですがそのままではハンドル角度を變更できないのでハンドルと一體化したステー部分を切り落としました。

・RSヨコタ製ステンレスマフラー


屋根付き=雨中走行が前提なので錆對策として導入しました。表面にうっすらと錆が浮く事はありますが水拭きするだけで簡單に落ちます。お蔭で雨の中を走っても錆びて穴が開く心配がありません。

・GIVI RV125JP用キャリア SR99 63075


RV125EFiではゾロ屋根とゾロ箱の併用ができません。ゾロ箱を取り付けられるだけの大きさを持つキャリアはあるのですが屋根との併用が出來ないからです。

この點に關して屋根購入前にゾロさんに色々と問い合はせをしてRV125JP用のキャリアなら併用可能になると判斷しました(ゾロさんでは前例が無いので自分で判斷)。そこで發註時には屋根支柱を取り付けるタンデムグリップ側部品のみJP用にして貰ひGIVI製のJP用キャリアを裝着しました。これによりキャリアを下から支へる事になり多少の重量物でも安心してゾロ箱に入れられる樣になりました。

屋根+箱の購入に當たりゾロさんではフロントカウルに補強を入れたり元々PCX前提に作られたゾロ箱の角度が合はないからと箱底面の角度を調整するなど配慮して下さいました。その顧客本位で良心的な企業姿勢に改めて感謝致します。

大柄な車體によるゆったりとした乘車姿勢、良く廻るエンジンによる機動力、部品の材質などでは同時代の日本車には劣るものの'80年代頃の日本車くらいの品質はある事など性能的にも使い勝手からも個人的に高く評價する車輛です。

難點はやはり外車なので部品供給が面倒な事。これに關しては私の場合は地元にE店始め取り扱い店が數軒あったので問題にはなりませんでした。部品を發註する度に送料が掛かるのはちょっと……ですが(^^;

電子制御の都合によりセッティングはE店に持ち込む必要があります。整備内容によっては專用のECUテスターに接續してリセット作業などが必要だからです。地元にE店が無い場合や都度料金が掛かる事などを考えると面倒です。私は何とかしてECUテスターを入手しましたが、これをわざわざ入手してRVに乘る個人ユーザはSYM關係者か餘程奇特な人だけでせう(^^;