BTRONでOEDを使ふ
BTRONでOEDを使ふ
Oxford English Dictionary Second editon Ver.4.0をBTRON上で使ふ爲にEPWING化しました。BTRON上でのEPWING辭書の使ひ方はこちらで解説してるのでここでは主にWindows環境によるEPWING化の作業内容を解説します。
OEDのバージョンは4.0.0.3。こちらで公開されてるEPWING化ツールが使へます。汎用性の高いEPWINGソフトでOEDを使へる樣にツールを開發・公開して下さった作者氏にこの場を借りて謝意を表しますm(_ _)m
・作業環境
FMV LIFEBOOK S751/C Core i5-2520M 2.50GHz
RAM: 4GB
Windows XP SP3(32bitバニラ版)
・EPWING化ツールのバージョン
oed2v4-160618
この手の作業ではツール類が何に依存してるか判らないのでnLite輕量化版XPや魔改造版2000を避けバニラ版XPで作業しました。こんな作業の爲に持ってる一番ハイスペックな環境ですが、それでも全文コピペに約18時間掛かりました。
全文コピペは問題無く一囘で終はったのですがHTML化作業で問題が出ました。公式サイトのフォーラムを調べるとJavaのバージョンに起因する樣です。
・使用したJavaのバージョン
java version "1.7.0_45"
Java(TM) SE Runtime Environment (build 1.7.0_45-b18)
Java HotSpot(TM) Client VM (build 24.45-b08, mixed mode, sharing)
java version "1.7.0_51"
Java(TM) SE Runtime Environment (build 1.7.0_51-b13)
Java HotSpot(TM) Client VM (build 24.51-b03, mixed mode, sharing)
java version "1.7.0_55"
Java(TM) SE Runtime Environment (build 1.7.0_55-b13)
Java HostSpot(TM) Client VM (build 24.55-b03, mixed mode, sharing)
上記の各バージョンでmakehtmlを實行しても
Exception in thread "main" java.lang.UnsupportedClassVersionError: zephyr/util/ZephyUtil : Unsupported major version 52.0
のエラーが表示されHTML化が實行されませんでした。
#71291に於いて
java version "1.7.0_45"
Java(TM) SE Runtime Environment (build 1.7.0_45-b18)
Java HotSpot(TM) Client VM (build 24.45-b08, mixed mode, sharing)
の環境で實行できるとの事なのに1.7.0_45及びそれ以降のバージョンでバージョンエラーが出ました。Javaのアプリケーションを使ふのは初めてなので意味が解らなかったのですが、調べてみた所Javaのバージョン、クラスファイルの關係が原因の樣です。
エラーで出る52.0はクラスファイルを指す樣です。これに對應するJavaが1.8.xx。これに對しフォーラムの質問にある51.0は1.7.xxです。公式サイトには明記されてませんがoed2v4-160618に含まれるzephyr.jarが1.7.xxのJavaでは動作しなくなってる樣です。
普通ならJavaのバージョンを上げれば濟む話なのですがXP上では1.8.xxのインストーラーが起動しない爲にインストール自體が出來ません。が、私の環境がLinuxへ移行した爲にWindows環境はXPまでしかありません。
そこで舊バージョンのEPWING化ツールを探して實行しました。それぞれのzephyr.jarは以下の樣になります。
oed2v4-150303 : 2015/03/03 22:19 182KB
oed2v4-160618 : 2016/06/18 18:19 235KB
これによりXP上の1.7.xxのJavaでHTML化に成功しました。
HTML化が濟めばEBStudioでのEPWING化作業になります。私の場合はここで生成されたデータをファイル變換でBTRON上に持って行きます。EPWING化したOEDのサイズは約850MBなのでCDには納まりません。こちらで解説する變則的インストールが必要です。
最初、海老(EBI)でも統合辭書でもOEDが認識されずBTRON上でOEDは無理か?と思ひました。海老(EBI)では起動させても一瞬で畫面が消えますし、統合辭書では辭書登録畫面ではOEDが表示されてるのに檢索對象及び書籍順序ではOEDが存在しない事になってました。Windows上のEPWINGソフト(OASYS CDView)では動作してますしEPWINGは規格ですから動作しない筈は無いのですが原因が判りませんでした。
色々と調べた結果、作業環境に使ったバニラ版XPからUSBメモリ經由で通常使用環境(nLite輕量化版XP)へデータを移動させる際にディレクトリ名を變更した事が問題だと判明しました(HDDそのものを差し替へるので一旦USBメモリに保存)。USBメモリ内にあるOEDのEPWING化ツールディレクトリとの重複を避ける爲にディレクトリ名を變更した結果catalogsファイルにあるパスと實際のパスに違ひが出來た事が原因の樣です。OASYS CDViewではアプリケーション上からcatalogsの所在を指定して普通に起動してたので最初は氣付きませんでした(^^;
そこで統合辭書下にあるキャビネットの階層をEBStudioでEPWING化した時と同じ名前にする事で統合辭書でOEDが認識される樣になりました。
この樣に超漢字統合辭書でOEDが使へる樣になったのはいいのですが、部分的に文字化けしてるのではないかと思へる所がありました。そこで公開フォーラムを探した所、こんな情報がありました。
ここの#78218を見ると修正版のアップが2016-06-18となってます。この数字は160618版と同じです。と言ふ事は150303版の問題が160618版で修正された事になり150303版でHTML化しても間違ひが多く残ってる事になります。
となると1.8.xxのJavaでHTML化をしなければなりません。しかし私のWindows環境はXPまでしか無いので1.8.xxのJavaはインストールで蹴られます。この作業の為だけにわざわざ新しいWindowsを調達するのもアホらしいです。インストールファイルを強制的に解凍してXPに手動インストールする方法も見つかりましたが更に調べて行くとXPでも一應インストール可能なJava 1.8.xxのバージョンがある事が判明しました。私と同じくXPまでのWindowsしか無い人で1.8.xxのJavaが必要な方は以下のファイル名で探してみて下さい。
jre-8u60-windows-i586.exe
インストール時に動作保障しない旨の警告が出ますが無視してインストールを進めます。インストール中は状態を示す文字が全く表示されませんがそのまま放置すればインストールは完了します。
インストール完了後にバージョンを確認すると8.0.600.27と出ます。コマンドプロンプトからjava -versionで確認すると
java version "1.8.0_60"
Java(TM) SE Runtime Environment (build 1.8.0_60-b27)
Java HostSpot(TM) Client VM (build 25.60-b23, mixed mode, sharing)
と出ます。このバージョンで160618版のmakehtmlを實行するとあっさりとHTML化が實行されました。
EBStudioでEPWING化した後の状態を比較するとこんな感じになります。フォーラムで指摘されてた單語を檢索した結果です。
150303版
160618版
確かに修正されてます。と言ふ事でXPまでの環境しか持たない人は上記バージョンのJavaを入手して160618版で作った方がいいです。強制解凍するより樂に作業できます。
この樣に160618版によるEPWING化は無事に終了したのですがEPWINGのバージョンによるのか結局海老(EBI)ではOEDが起動しませんでした。今更要望出してもさすがに開發者氏も手を引いてるだらうなぁ……。
そんなわけでBTRON上でOEDが使へる樣になったのでOEDを調べる爲にわざわざWindowsを起動させなくて濟みます。ただ、統合辭書は複數の辭書に跨って檢索するのが基本であり都度檢索對象辭書を指定するのが面倒(辭書の數だけメニューを呼び出し指定操作を繰り返さないといけない)なので、一つの辭書を單體で使へる海老(EBI)が使へると便利なのですが(^^;
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