Cabina 90 ホンダ Cabina 90


初めて入手したスクーターです。私は友人のをちょっと借りた程度を除きマニュアルミッションの單車しか乘った事が無く、スクーターに乘るつもりはありませんでした。單車に乘り始めた16歳の頃でも同級生連中はスクーターから始めるのが多數派でしたが私は最初からスポーツ車(CB50JX‐1)を選びました。唯一の例外は置物として部屋に飾ってあったモトコンポです。そんな私が何故この車種を選んだかと言ふと、理由はたった一つしかありません。

屋根です、屋根!

その頃の私は通勤を含む日常の移動手段としてスーパーカブ50に乘ってましたが、雨天の雨具裝備に辟易してゐました。出先が常に合羽を干せる場所がある所なら良いのですが、そんな場所は殆どありません。それに、雨が續く時などは翌日出掛ける爲に毎日合羽を干して乾かさなければならず、その日の降雨確率によって長靴にするか普通の靴で濟むか等、天氣を氣にしなければならないのも面倒でした。

そこでカブに屋根が付けられないものかと調べたのですが、一時期販賣された事はあったものの、既に入手不可能になってました。となると屋根が後付け出來るか最初から付いてる車種を探す事になる譯ですが、後付け屋根の價格は約15萬です。これに車輛本體まで含めるとちょっと手が出せる値段ではありませんでした。

ならばタマ數の多いジャイロキャノピーか、と考へましたが、加速を始めとする走行性能から言って私の用途には不向きでした。色々と調べ入手可能性や價格等を總合的に判斷した結果、キャビーナが殘りました。私は大型二輪まで乘れるので當然90ccを選擇しました。

さて、實際に乘り始めてみると數々の缺陷を抱へてゐるにも拘はらず雨天走行時の快適性は代へ難いものがあります。普通の雨なら合羽は要りません。少し雨が強くなっても濡れる箇所は腕と肩なので合羽を羽織るだけで濟みます。今迄の樣に全身雨具裝備の必要は無くなりました。流石に土砂降りの時は重裝備が必要になりますが、雨天時の走行が億劫でなくなったのは事實です。キャビーナを始めとする屋根付き單車に根強い愛好家が存在するのも納得が行きます。
又、シート下の收納が大きく、更にオプションのBOXを付ける事で收容力が上がるのでかなりの荷物を積載出來ます。私は四輪には乘らないのですが、キャビーナがあれば四輪は要らないとまで思って了ひます。

とは言ふものの、缺陷を抱へてゐるのも事實であり、これらを改善した車種が販賣される事を願って止みません。その缺陷と言ふのは先づ、

&T212D21;車重と出力のバランスが惡い
屋根を付けた事で當然車重は増加します。その重い車體を90ccのエンジンで走らせる譯ですから馬力不足は必然です。その爲かエンジンは2サイクルとなってゐるのですが、最初から125ccを搭載すべきと言うのは私のみならずキャビーナ乘り共通の見解の樣です。

&T212D22;燃費が惡い
2サイクルは4サイクルと比べ馬力は出ますが燃料消費は多くなります。況してやキャビーナの重い車體を2サイクル90ccで走らせる譯ですから燃費が良い筈がありません。私のキャビーナでは20km/&T21235F;〜27km/&T21235F;程で、これは以前乘ってゐたZZR250と餘り變はらない數値です。

これもエンジンを125ccの4サイクルとする事で解決出來る問題です。4サイクル125ccのスクーター用に後付け屋根が市販されてゐるのはさうした濳在的需要を裏付けるものと言へます。

&T212D23;制動力が足りない
車重が重いと言ふ事は當然止まり難いと言ふ事です。にも拘はらずキャビーナのブレーキは前後共にドラム式です。この爲キャビーナは止まらないと言はれますが、本當に止まりません。普通の車間距離を取って普通に止まれる筈の所で追突しさうになります。流れの良い道路を法定速度(60km/h)で走るのが恐ろしい單車は初めてです。

キャビーナ乘りの中には前輪をディスクブレーキ付きの他車のユニットとごっそり交換してゐる人がゐますが當然です。私もキャビーナに乘り續けるならディスク化は必須と考へてますが、部品調達や資金の關係で先の話になりさうです。當面は普通よりも多目に車間距離を取り、最高速は50km/h迄で抑へる樣に心掛けてます。


これらとは逆に世間で思はれがちな缺陷が缺陷ではない場合もあります。一番言はれるのが横風に弱いと言うものですが、これは普通の屋根の無い單車と大差ありません。屋根付きのイメージから全體をカバーで覆はれた車體が横風に吹き飛ばされる印象が生まれる樣ですが、横方向にはカバーの類が無く吹き曝しなので餘程投影面積の大きな體型の人でも無い限り屋根無し單車より強い影響を受ける事は無いと言へます。尤も、そんな體型の人は屋根無し單車でも横風の多大な影響を受ける筈ですが(^^;

この樣にキャビーナ自身は色々と缺陷を抱へた單車ではありますが、屋根付き單車と言ふ分野が未だ未だ可能性を持ってゐる事が窺へます。上に擧げた缺陷を改善した車種、即ち4サイクル125ccエンジン搭載(個人的には輕量化や整備性の觀點から空冷が望ましいと考へる)、35km/&T21235F;程度の燃費性能、前輪ディスクブレーキ搭載(スクーターの構造上、後輪は難しさうなので)の販賣が待ち望まれる所です。これは私一人の意見ではなくキャビーナ(屋根付き)乘りの間で概ね共通した見解です。


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